埼玉古墳群に行ってきました。九基ある古墳のうちのひとつ、稲荷山古墳から出土した国宝「金錯銘鉄剣」が博物館に展示してあり、これを見て驚きました。剣の両面に漢字115文字が刻まれ、金象嵌が施されているのです。
誰のものだろうと解読された剣の銘文の内容を読むと、ワカタケル大王(雄略天皇)の杖刀人(親衛隊長)を務めたヲワケという人が持ち主で、自分の身分や子孫の名前などを述べているのです。博物館の資料によればこの剣は古墳が作られた当時(五世紀末ごろ)のものだと分かりました(博物館の観覧券の裏面にはその鉄剣の裏側の写真が載っており、ワカタケル大王という意味の漢字が彫られています)。
持ち主がわかってひと安心し、この後、日本で一番大きいという円墳に上ってみました。頂上からは行田市街やはるばる広がる平野が見渡せました。私が今まで見てきた古墳はその地域を見渡せる場所に多く、戦いの折は、物見やぐらのような場所になったと考えています。古い城郭もそのようですね。
よく見ると、この円墳にいたる道は、石田三成が近くの忍城(おしじょう)攻めのときに作ったものだそうです。古墳の周りは池や堀になっていることが多いので、人馬が通る道が必要だったのではないでしょうか。
私事になりますが、昔、私が営業マンだったころ、新任の土地に行ったらその地で一番高い所にのぼって地域全体を見渡して、その土地に慣れる手だてにしていました。皆さんはどうなさっていますか。地球の歩き方、初めての土地の歩き方教えてください(Q)。